川本喜八郎先生。
今敏監督のあまりに早すぎるご逝去に呆然としながら、
追悼の意を込めてひとり平沢進ナイトを敢行しておりましたところ
(つってもCD聴くだけですが)
昨日、今度は川本喜八郎先生の訃報に接しまして、再び呆然としております。

お年がお年なので大往生と申し上げるべきかもしれませんが、
なんつーか、こう、一つの時代が終わっていくのだなとしみじみ噛み締めます。
川本先生はどの人形にも魂を吹き込んでいらっしゃいますが、
特に、孔明人形をこよなく愛されておいででした。

これあちこちで喋ってるエピソードなんですが、
私が中学生くらいのころ、友人が人形展に出かけたところ、
ちょっとした川本先生の講演があり、ファンとの交流をなされていたそうです。
先生は孔明人形を膝に乗せて時折ちょっと動かしながらお話されていたのですが、
「人形の動きがとても細かく素晴らしいですが、仕組みはどうなってるのでしょうか」
と、ファンからの質問があったそうです。

先生はにっこり微笑まれ、抱えてらした孔明人形を傍らに置くと、
並んでいた人形の中から周瑜を選んで、装束をバリっと剥がし、
背中のからくりを見せながら「こうなってます」と実演されたそうです。

私はNHK人形劇三国志を初めて見た小学生の自分からあの孔明に恋をしており、
その友人は周瑜を愛しておりましたので、
このある種の周瑜に対する辱めを呆然と眺めながら
「おのれ孔明、こんなところでも……!」と歯噛みしたそうです。

川本先生、ホントにいろいろとよく分かってらっしゃる、と
当時もほくそえんだものですが、いま思い返しても
わかりすぎだろう!とつっこまざるを得ません。

私を「三国志」に導いたのはすべてあの孔明人形の美しさでした。
川本先生、ありがとうございました。

おやすみなさい。

| 三月 | 雑記 | 22:03 | comments(0) | trackbacks(0) | -









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