「ホレーショ・ホーンブロワーの生涯とその時代」とファン心理。
 これまでたびたび入手のタイミングを逃してきてましたが、ついに!わが手元にやって来ました。

 「ホレーショ・ホーンブロワーの生涯とその時代」C.N.パーキンソン 至誠堂(1974年刊)
 

 「パーキンソンの法則」で知られる著者が、C.S.フォレスターの「ホーンブロワー」シリーズに、というよりもホレイショ・ホーンブロワーと言う人物に惚れこみ、その生きた時代について入念に調べ、資料を集め、ついに評伝をものにしてしまったのがこの1冊。
 ホーンブロワーファンの間では必読の書と思われているものの長年の絶版状況のため入手困難でもありました。

 なぜか最近頻繁にYahoo!オークションなどに出品されていて、ひとまず入札はしてみるものの、まめなチェックを怠っているうちに、別の人に落札されたりして、なかなかご縁がなかったのですが、何気なく見ていたネットで在庫確認のできる古本屋さんで、ひょこっと見つけて即申し込んだのでした。

 写真はちょっと光が入ってしまって見づらいですが、状態もよく、大変満足です。
 Amazonのマーケットプレイスでも出てましたが、こちら金額が1万円てファンの足元見やがって!な金額が付いているのに対し、こちらは古本屋さんで900円(+送料)で買えたのでした。
 ありがとう古本屋さん!

 さて、内容についてですが、口絵に関連あるようでないような古い図版が載ってたり、念入りに作り上げられた「資料」があったり、肖像画が載ってたり、巻末には家系図まで付いてたりで、そりゃ司馬遼太郎も騙されるよね!(※)
 遊びは全力でやらんといかんよね!

 ※司馬遼太郎氏は、本書によって「ホレーショ・ホーンブロワー」なる英国海軍士官の実在を信じ込まされ「こんな人物がいたなんて知らなかった」と感服し、フォレスターのシリーズをお読みになったとか。
 後に創作だとお知りになったそうですが。

 昨夜ポストに入っていたのを見て、今日早速通勤電車の中で読み始めたのですが、冒頭の「百年後への遺書」が、正直私の中にあるホーンブロワー像と重ならなかったので、この先苦労しそうな予感です。

 いやだってさ、あいつのあの性格じゃ、いくら100年後と指定したからといってもあんなこと告白しやしないだろうし、あんな言い訳がましい内容書き上げたあとに破り捨てるよ。多分。

 ってまるで本人を知ってるかのような言い草になってますが、まぁね、物語に登場する人物に対して、読み手が100人いれば100タイプの解釈がなされると思うんですよ。
 もちろん同じような解釈をする人もいるだろうし、書き方によっては、揺らぐ余地もないほど明確にどんな人物であるかが描写されてる場合もありますが、それでもやっぱり、「この人はこういう人」と隅々まで印象が重なることはそうないんじゃないかなと。

 そういう意味で、私にとってのホーンブロワー像と、パーキンソンにとっての像のぶれている部分が、こうして評伝の形になったことで明確になったということなんでしょうね。
 ホーンブロワーシリーズの訳者であり、海洋小説翻訳の大家でもある高橋泰邦氏の手になるホーンブロワー外伝も、かなり性格違ったもんなぁ(笑)。
 あれだけどっぷりとその世界に浸かりきり、フォレスター自身の文章に、息吹に触れながら、それでこれかよ、とうっかり微笑ましくさえなってしまいましたよ、あれ(※ネタバレあり。未読の人注意)は。

 ※ホーンブロワーの腹心の部下であり親友であるウィリアム・ブッシュを愛するあまり、原作で書かれた彼の死に納得できず、「実は彼が生きていた」ことにして書き上げた「外伝」。
 「かつて、艦長としての威厳にこだわり、感情を抑えて彼につらく当たってばかりだった。こうして再び会えたのだから、今度は心のままに振舞おう」的な決意をする司令官ホーンブロワーの振る舞いは、どう考えても、「それ、俺がホーンブロワーならブッシュにもっと優しくしてやるのに!的高橋先生の姿だよね」と、ある意味では失笑させ、ある意味では微笑ましげに見守られている作品。

 「南溟の砲煙」「南溟に吼える」の2冊がある。


 しまった、「生涯」を語るより高橋先生について語ってる方が長いな。
 だってまだ読み始めて間もないからね(笑)。

 ちゃんと読んだらまた改めて感想書きます。
 乞うご期待。
| 三月 | Royal Navy | 17:00 | comments(0) | trackbacks(1) | -









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電子家族図
なるほど、よく考えると面白いです。今回はありきたりに思える家系図を作るというサイトを...
| 暇人短剣符 | 2009/01/11 8:35 PM |