イスタンブル物語
 森川久美の「イスタンブル物語」という漫画がありまして、もう15年位前に描かれた少女漫画なんですが。第一次世界大戦当時の、複雑のこんがらがったオスマントルコと、トルコ国民政府とギリシアと、漁夫の利を狙うイギリス政府の関係を描いて、私にその時代のことを教えてくれた作品です。
 その漫画の中に登場する、後にアタ・チュルクと呼ばれるケマル・パシャという人物は、戦火を前にこう言い放ちます。

「正義のための戦いなんかない
 あるのは生き残るための戦いだ」

 村を、国を蹂躙してきたギリシア人を排斥しようと彼らは戦うけれど、遠い昔に遊牧民だった彼らの祖先が、そこに住んでいたギリシア人から奪った土地でもある。ギリシアからすればトルコこそが略奪者である。
 土地を奪い奪われして築かれた歴史の末に、正義なんてものは残っていない。あるのは蓄積された恨みばかりだ。
 復讐に終わりはない。

 単行本にしてたった6冊。
 友情あり恋あり冒険あり笑いあり涙ありの盛りだくさんで、哀しくも穏やかなラストシーン。
 こんな作品が埋もれていってしまうのは、あまりに惜しいです。


※現在「復刊ドットコム」さんにて復刊リクエスト活動中です。
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 >>「イスタンブル物語」用投票ページ
| 三月 | | 02:44 | comments(7) | trackbacks(0) |
三月さん、しばらく。
『イスタンブル物語』私も若いとき読んでましたよ。懐かしいです。
トルコが舞台の漫画ってなかなかありませんので、物珍しさから読み始めたのですがこれがまた夢中に。
初め生意気だったお転婆娘のハディージャがだんだん可愛らしくなってきて、最期が哀れで…(涙)
他にも印象的なところがたくさんあって、大好きな作品でした。
最終巻には「危険な関係」とかいうちょっと異色の短篇も入ってたと思います。
今日の記事でちょこっとだけ触れたので、コメントさせてもらいました。
ホントにちょこっとですので、TBは控えましたが(^^;
| oka | 2006/04/18 11:43 PM |
>okaさん

こんにちは!お久しぶりです〜。
またお越しいただきありがとうございます。

おお、「イスタンブル物語」お読みになってましたか!
そうなんですよね、珍しい部隊、珍しい時代のお話でした。
登場人物もみんな魅力的で本当にいい物語でした。
私はラティファとキュメル少佐の関係にドキドキしていました(笑)。

「危険な関係」若き日の武器商人さんのお話でしたね。
Blogこそっと読ませていただきにまいります!
| 三月 | 2006/04/19 11:38 PM |
そうそう。「トルコの薔薇」ラティファっていう美女もいましたよね。
こうしてみると、この国の人の名前は男女を問わず可愛いなぁと羨みながら読んでいたのが懐かしく思い出されます(笑)。
懐かしついでに今日は昔よく聴いてたトルコ音楽CDのレヴューなど書いてみました。
よかったら覗いてみてくださいませ。

それから、こちらを私のブログにリンクさせていただきたいと思うのですが構いませんか?
お嫌でしたら教えてくださいね。
| oka | 2006/04/20 10:36 PM |
トルコ語はなんとなく響きが可愛いですよね。

レビュー、読ませていただきました。
「ウシュクダラ」、これはルパートがアリフの村で聞いた歌だ、と思い出し、また懐かしくなりました。

ムーンライダーズというバンドの「イスタンブールマンボ」というアルバムにも「ウスクダラ」というタイトルで収録されています。少しポップなアレンジがされてますが。

拙Blogへのリンク、うれしいです!ありがとうございます!
うちからもリンクさせてくださいませ。
| 三月 | 2006/04/20 11:45 PM |
色よいお返事ありがとうございます(笑)。
早速リンクさせていただきましたよ。
これからもどうぞよろしくお願いします。
| oka | 2006/04/21 5:50 PM |
はじめまして。イスタンブールにはまっています。魚、猫、海がセットで私のつぼをおしまくります。
FATIH AKIN監督の映画は、実物大のイスタンブールが満載です。
現在ロンドン在住で、たまたま古本屋でイスタンブル物語の1巻を見つけて購入。何とか、日本の友人に探してもらって、2,4巻は手に入れ、5巻ももうじき送られてくる予定です。どなたか、3巻、6巻を見つけたらぜひ教えてください。
復刻には投票しました。 読みたい。

私もキュメル好きです。
| Keiko | 2008/01/15 10:01 AM |
>Keikoさん

いらっしゃいませ!
イスタンブールは海からの風景が素敵ですね。
「イブラヒムおじさんとコーランの花たち」という映画で見て、何故だか懐かしさを感じてしまいました。行ったことはないんですけどね(笑)。
なんだか心惹かれます。お料理も美味しいですしね。
お店に食べに行くとついつい食べすぎちゃいます。

「イスタンブル物語」は本当に入手困難なのがもったいない名作です。
キュメル少佐はいい男ですよねぇ。大好きです。
3、6巻、何とか入手できることを祈ってます!
| 三月 | 2008/01/17 11:21 PM |









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