映画「アラビアのロレンス」
 もう1週間前のことですが、立川のシネマシティで「アラビアのロレンス」リバイバル上映があったので行ってきました。

 昨年、神戸でも上映があったそうで、お金と時間の都合がつけば行きたかったと思っていたところに、上映情報をいただいて飛びつきました。

 DVDも持っているし、何度もなんどっ見たけれど、やっぱり大きなスクリーンと劇場の音響とで楽しみたくて。
 この機会を逃すと、また次があるか分かりませんからね。

 オープニングの、テーマ曲の流れる黒いスクリーン、これはやはり劇場でないと堪能できませんね。
 自宅でDVD見るときはつい飛ばしてしまいますからね。

 それと、タイトルロールの後ろで、バイクの準備をしているロレンス。
 これも自宅の小さなモニタの中ではあんまり見えなかった部分で、細かく、几帳面にあれこれやっているのがなんだかロレンスらしくて面白いです。

 そして本編。
 アラビアのロレンス 完全版
 大画面で見る醍醐味は、やはり砂漠ですよね。
 ファイサル王子の元へ向かう道中。どこまでも続く広大な砂漠を行くラクダ。

 アリの登場シーンも素晴らしいです。
 太陽に焼かれてまるで湖面のようにすら見える地平線の向こうに立つ砂煙。
 案内役のベドウィンが緊迫した顔でじっと見つめる彼方に、確かに揺れて見える気もするけれどなかなか大きくならない僅かな点が、ようやく確認できたと思うとあっという間にアリになる。
 地平線までの距離と、ラクダの速度とを同時に感じることのできるシーンですね。

 それ以降のどのシーンも、大きな画面で見ることが出来て、といちいち書くのもアレですが、本当に仕合せでした。
 ストーリーも知っている、映像だって、ノイズのないきれいなものを見てはいるから、4時間の長丁場、仕事のあとで駆けつけたということもあって、途中で寝ちゃうんじゃないかとさえ思っていましたが、とーんでもない!
 どんな些細な場面一つとっても目を離すことなんか出来ませんでした。

 そうそう、現在DVDに採用されている字幕と、上映用フィルムに残っている字幕とが違うんですが、当然こちらの字幕は初めて見るものだったので、それが新鮮で中だるみすることなく鑑賞できたのかもしれません。

 そしてこの字幕がね、またいいんですよ。
 大いに意訳だったりする部分ももちろんあるんですが、なんと言うのでしょうか、柔らかくて品のいい言葉という感じ。
 アリの生真面目で真っ直ぐなところも、ロレンスのひねくれた物言いも、英国人のシニカルさも、ファイサル王子の計算高さも、正直に言えばDVD版よりも際立っていたような気がします。
 「英国人のばか!」と叫ぶアリは、もうなんか心打ち抜かれる可愛さでしたよ。ああなんて可愛い男なんだ……。

 アリから「英国人」ではなく「エル・オレンス」と呼ばれるようになるシーンも好きです。
 私生児ゆえに英国社会では爪弾きにされてきたロレンス。
 わざわざ変わり者であることをアピールするのは、彼なりの処世術で、そんな風にしていつも孤立していた彼が、家柄や血筋など関係なしにただ個人として、受け入れられる場所を見つけたような、そんな切なさがね、好きなんです。
 けれど、それゆえにロレンスは必要以上にアラブに肩入れすることになり、傷付くことになってしまうのですが。

 なんてことを思い返しているときりがないんですが。
 なんか思い入れが強すぎて、上手く言えなくてもどかしい。

 ああ、やっぱり私、この映画好きだなぁ。

 そして、やはり「アラビアのロレンス」と来たら「トルコのルパート」で、「イスタンブル物語」を再々々(何回か数えてませんが)読してしまうのでした。
 どうしてもこの二つの作品は連鎖反応で、どちらかを見ると、もう一方が見たくなるのです。

 またいつか、どこかの映画館で上映がありますように。
 そして、また見に行けますように。
| 三月 | 映画 | 19:48 | comments(6) | trackbacks(4) | -
ほれいしょがロが神戸へロで自宅堪能したかも。
それと神戸へ情報っぽいモニタしたかったみたい。
またロでリバイバルされた。
| BlogPetのほれいしょ | 2007/02/01 1:35 PM |
こんばんは。ルパート君に引かれてまたお邪魔しましたよ(笑)。
『アラビアのロレンス』私も若いときにビデオで見ましたが、余りにも壮大すぎてほとんど理解できませんでした。
砂漠の上に広がる空が物凄く青かったという印象だけが鮮明に残ってます。
今見たらまた違った感じを持つはずですから、それこそ機会があれば見たいです。
やはりというか三月さんの中ではルパートとロレンスが見事にリンクしてますね。
考えてみれば2人とも英国から中近東に渡った「異邦人」だし、自分の国ではというとある意味冷遇されてたりと共通点が多いですからね。
浮世離れしたところも似てるかも?
ロレンスでは神坂智子さんにその名も「T・E・ロレンス」という作品がありますよね。
最初読んだ時は衝撃が走りましたが、映画同様名作ではと思います。
| oka | 2007/02/02 10:04 PM |
okaさん、こんばんは!
私も子供の頃は物語が全然理解できてなくて(笑)、大人になって繰り返し見てみて、ようやく分かってきたような気がします。
映像は本当に空と砂漠が美しくて圧倒されました。
撮影は気温50度の中で行われたそうです。
監督は太陽も映したかったそうですが、光が強すぎてフィルムが焼けてしまうので、映画中の太陽はみんあ絵に描いたものだそうです。
なんて裏情報を知るとまた見返したくなるんですが(笑)。

「イスタンブル物語」、森川先生もロレンスを意識しながら描いていたようですが、本当にルパート君とロレンスの人物像が重なるんですよね〜。

あ、「T.E.ロレンス」は読みましたよ!
最初はけっこう衝撃でしたが、英国にいる間のロレンスのこととか丁寧に描かれていて面白かったです。
なんだか飄々としたロレンスが魅力的でした。
こちらもまた機会があったら読み返そうと思います。←つられやすい
| 三月 | 2007/02/04 11:38 PM |
きょう、立川へ都合上映するつもりだった。
そしてきょうほれいしょが音響っぽい準備したかったみたい。
また立川へロと堪能したの?
それときょうほれいしょがテーマも上映するはずだったみたい。
| BlogPetのほれいしょ | 2007/02/08 9:34 PM |
こんにちは。

レビューを興味深く拝見致しました。

「私生児ゆえに英国社会では爪弾きにされてきたロレンス。
 わざわざ変わり者であることをアピールするのは、彼なりの処世術で、そんな風にしていつも孤立していた彼が、家柄や血筋など関係なしにただ個人として、受け入れられる場所を見つけたような、そんな切なさがね、好きなんです。」

なるほどねー。感服いたしました。

ボクも今作のレビューを書いておりますので、トラックバックを貼らせてくださいますよう、お願い致します。
| マーク・レスター | 2008/10/22 9:52 PM |
>マーク・レスターさん

こんにちは。こんな辺境のブログへようこそおいでくださいました。
我ながら拙い、感情のままの感想にもったいないお言葉、ありがとうございます。

マーク・レスターさんの記事、じっくり拝見いたしました。
作品から受けたものを、あんな風に分析して考えたことがなかったのでなんだか新鮮でした。

他の作品のレビューも是非読ませていただきます。
TBありがとうございました!
| 三月 | 2008/10/22 10:50 PM |









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