「新任海尉、出港せよ」発売(追記アリ)
 ああ、そうだ! トマス・キッド新館「新任海尉、出港せよ」が発売してました!
 新任海尉、出港せよ―海の覇者トマス・キッド〈5〉
 新任海尉、出港せよ―海の覇者トマス・キッド〈5〉
 ジュリアン ストックウィン, Julian Stockwin, 大森 洋子


 月末かと思って油断していたのですが、今日の外出のついでに、ひとまず拿捕して来ましたよ。

 相変わらず、この厚さで出せるなら、オーブリーシリーズも上下で1冊に……と思っちゃうな(笑)。

 読み終えました〜。以下感想(28日記す)。
 故郷でジェントルマンな扱いに喜びと戸惑いを覚えるキッド。
 レンジに紳士としての振る舞いを教えてもらうけど、どうも馴染めない。
 艦に着任してからも、早々に「水兵上がりの士官は認めない」なんて艦長に言われちゃうし、ジェントリな士官室の雰囲気には入り込めないし、と言って水兵たちはもう仲間じゃないし、って感じで前半はうじうじキッドに少々苛々。
 まあ、でもホーンブロワーやオーブリーではなかなか見ることのない士官室の様子や、士官の個室の内装のことが細かく描かれていて、「ほうほう、なるほどね!
」とわけもなく頷いてみたりしつつ。
 とにかくこのシリーズは、当直の班分けや戦闘配置のこと、風や潮の流れ、湾の水路のことなど、とにかく描写が細かいのがいいです。
 正直、主人公の言動に共感できないまま読んで来たんですが、ひとえにそうした海軍の軍艦での生活が垣間見えるのが嬉しかったからです。

 や、でもキッドの人柄は嫌いじゃないですよ。
 強制徴募されてすぐ、気持ちを前向きに切り替えるところとか、健気で真っ直ぐで騙されやすいところとか。
 女に弱くて本当にお馬鹿さんだなぁと思うけど、まあ、それもご愛嬌。
 一方レンジも、嫌いじゃないはずなんだけど、最初からどうも、狙いすましたような人物設定と人間関係で、喩えて言うなら、マチュリン先生が船乗りになったような(もう少し明るいし常識的ですが)イメージで、うーん、ホント、人柄は嫌いじゃないんだけど! って感じだったので、今巻では、活躍が少なめだったのが良かったのか、すごく好きになりました(ひどい言い草)。
 まあ下から数えた方が早い位置にいる下っ端海尉が、司令官のお気に入りになるところはなかなかあざとくて、やれあれ、って気にもなりましたが。

 今回の見所は、独立戦争後のアメリカ。
 イギリスやフランスに対する感情や、海軍設立の様子などがこれまたホントに丁寧に描写されていてワクワクしました。
 アメリカの海軍では、水兵も士官も平等で、そんなで規律が守れるのかな、とキッドが心配するくだり、「結局ここにも平等なんてものはないんだ!」なんてことになるのかと思ってましたが、いざ戦闘が始まると、(少々ぎこちないながらも)みんながそれぞれ与えられた仕事をしていましたね。

 身分階級に煩い英国軍艦の士官室で、ジェントリに劣等感を抱いてうじうじしてるよりはいっそこっちの方が――なんて可能性までちらつかせておいて、そりゃないだろう、なキッドの出世街道の道筋に少々納得いかない気もしつつ、やっぱり次の巻が気になるのでした。

 この調子でコンスタントに発刊されればいいなぁ〜。
| 三月 | Royal Navy | 00:59 | comments(1) | trackbacks(1) | -
任海で大きい大森洋子や、キッドとかを拿捕しなかったの?


| BlogPetのほれいしょ | 2006/07/18 12:11 PM |









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| 辻斬り書評  | 2006/07/18 2:56 AM |