若き獅子の船出-海の勇士ボライソー・シリーズ 1

若き獅子の船出-海の勇士ボライソー・シリーズ 1
アレグザンダー・ケント, 高橋 泰邦


 オーブリー、ホーンブロワー、トマス・キッドの各シリーズ、現在入手できる分はすっかり読んでしまって、次なる帆船海洋作品を読むとしたらやはりこれでしょう!
 と、勢い込んでこの大河シリーズ(現在27巻まで刊行中)の1巻を購入、16歳の士官候補生リチャード・ボライソー少年の旅立ちを読みました。
 訳者後書きによると、この巻は元々少年向けに書かれたということで、展開が分りやすく、友情とか冒険といったワクワク感が満載です。
 あっという間に読めてしまって、さあ2巻を!!

 と思ったら、2巻以降15巻くらいまでの間がほとんど絶版か在庫なし。
 くあー! 続きが読みたいんじゃ―! というわけで図書館通いを決意するのでした。


 そんなこんなは置いといて、ひとまず、いろいろ斜めな視点も交えつつ、ネタバレ感想などいってみまーす。


 これまで読んできたシリーズの主人公たちは、家族に海軍の人間がいるでもなく、上官に気に入られたり睨まれたりしながら身一つで出世していくパターンだったのですが、このボライソー少年、亡き祖父は海軍少将、父は勅任艦長、2歳上の兄も先任士官候補生とて別のフリゲート艦で地中海を航行中という海軍一家に生まれた、ある意味エリート。
 12歳で入隊し、これから乗り込む戦列艦ゴルゴン号が2隻目の艦。
 乗り組み待ちの間、士官候補生御用達のブルー・ポースツ亭で、周りの少年たちの様子を観察したり、ブランデーなんか飲んじゃったりしてなかなか余裕です。
 艦までの渡しの水夫にかける言葉も堂に入ったもんです。渡し舟で既に船酔いしていたホーンブロワー君17歳とは違います。
 あ,ちなみにこの船出の前にブルー・ポースツ亭で親友となるマーチン・ダンサーに出会っています。というかナンパされてます(本当。隣にやってきて「ここ空いてる?」って言ったもん)

 艦の中では目をかけてくれる海尉や先任候補生もいれば、なんだかせこい意地悪を仕掛けてくる海尉もいたりしますが、海軍生活4年目の少年は「そんなものだ」と受け流して自分に課せられた任務をこなしたり、後輩の候補生を気にかけてやったりして戦列艦での日々は過ぎてくわけですが、この辺り、士官や候補生、下士官たちの居住区のことがけっこう細かく分かって面白いです。
 そしてやっぱり艦長は孤高の人なのでした。
 三回聞いてもボライソーの名前を覚えないくらい――後に「艦長」という人を理解するのに効果的な伏線となってたりもします。

 ゴルゴン号に与えられた任務は西アフリカ海岸の海賊討伐なのですが、ここでボライソー少年は、苦境に陥りつつも、これまでの経験や、父がかつて話してくれたことなどの記憶を総動員しつつ、海の勇士というに相応しい資質を閃かす働きをします。
 正直、これまで3つのシリーズを読んできましたが、このハヤカワのシリーズの「海の○○」みたいな肩書きというかコピーがぴったり来る主人公に初めて出会った気持ちです。(笑)

 トマス・キッドの「海の覇者」はまだ覇者ってとこまで辿り着いてないし、ジャック・オーブリーの「英国官軍の雄」はまぁカッコいいけど、本編の6割はマチュリン先生が占めてるし、ホーンブロワーの「海の男」にいたっては、なんかもういつまでも船酔いしちゃう彼への皮肉か、なんて思っちゃうし(笑)。
 まぁ、でもどの主人公たちも海以外では生きていけない男たちなわけですが。

 さて、少々話は逸れましたが、ボライソー、なかなか先が楽しみなシリーズです。またこれからしばらく彼と一緒に海を渡りつつ、提督まで上り詰めていこうと思います。
 くそう、本屋で続きが入手できるなら……。
| 三月 | Royal Navy | 00:40 | comments(3) | trackbacks(1) | -
きょうは、船出するつもりだった?
さあ三月とシリーズを刊行したいです。
さあきょうはバレへ冒険したかったの♪
| BlogPetのほれいしょ | 2005/11/18 2:13 PM |
ほれいしょは、バレまでシリーズみたいな展開したの?
| BlogPetのほれいしょ | 2005/11/26 11:00 AM |
いつの間にかほれいしょがコメントを…
何のシリーズを刊行し、どこへ冒険に行くつもりだったんだろう。
| 三月 | 2005/12/03 2:38 AM |









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