「ヅ」と「ズ」再び――旧仮名遣い5
 先日、SWep3の感想を書こうとしたか何かで「手懐ける」と書きたかったのだが、何度「てなづける」と入力しても、IMEったら変換してくれず。
 仕方なしに「手」+「懐(なつ)く」−「く」+「ける」と入力。
 面倒臭いなぁ、何でこんなにIMEはお馬鹿さんなのさー、と、本来書きたかった文脈さえ忘れそうな勢いで憤慨しつつ、ふと思い立って「てなずける」で変換かけてみたら一発で希望の漢字が出た。
 ああ、これもまた「ヅ」は「ズ」に改めるべし、とやらのせいかと、本気でゲンナリ。

 字を見りゃ分かることだけど、「懐」けるに接頭語として「手」が付いてるわけでしょ?
 「懐」けるをより強調するための「手」。
 「懐」く は、「なつ」く。
 6・3・3と12年、国語を習ってきたけれど、「なす」く、なんて読み方をするとは聞いたことがない。なのに、これに「手」がついたら「ツ」が「ス」になるとでも言うのか。

 明らかにおかしい。
 元々「なつく」「なつける」「なつかしい」なんて語は和語なので、漢字にしたら同じだからそれでいいじゃん、という考え方は拒否したい。
 「なつかしい」という言葉は、過去のことを振り返って、ジーンとしたりキューンとしたりするようなことを表したりするけれど、特に重要なポイントは「ジーン」「キューン」で、ここ、古典語訳風に言うならば「慕わしく感じられる」「心惹かれて離れがたい気がする」というようになり、つまり「慕わしく感じられる」「心惹かれて離れがたい気がする」ものには「なつ」いているわけである。

 更に言うと「なつく」は「馴(な)れる」+「付(つ)く」なので、ますます「ズ」を使用しなければならない道理はどこにもない。

 とりあえず腹立たしいので、我がIMEの辞書に「ヅ」での登録をしてみた。


 更にもう一つ、「ヅ」と「ズ」で腹立たしい出来事があった。

 とある有名書店の店内に置いてある「書籍検索システム」を使用していたときのことだ
 井筒俊彦先生のイスラム関係の著書を読みたくて、この店に在庫があるかどうかの検索をしようとして、著者名の欄に「イヅツトシヒコ」と入力をしたが、結果は「該当するデータがありません。入力内容を確認してください」とのこと。
 姓名の間にスペースが必要だったかと、やり直したが結果は同じ。
 恥ずかしくもお名前を間違えていただろうか、と「イヅツ」だけにして再検索をしたが、やはり「該当なし」。

 いくらなんでもこれはおかしい、と店員に声をかけようかと思って、ここでまた、頭を「ヅ」は「ズ」云々が過ぎり、いやいや、まさか、だって「筒」だよ? と思いつつ「イズツ」と入力し直したら、大量に結果が返ってきた。

 えー? そりゃねーだろー!! 「筒」だよ!? どう読んでも「つつ」だよ?
 お馬鹿さんなIMEだってまだ「イヅツ」で変換するよ?
 つーか人名だし!
 ってことは何かい、「筒井筒」は「ツツイズツ」なのかい? そりゃねーだろーー!!(2回目)

 と言うわけで、その場でそんなことで頭が一杯になってしまい、井筒先生の在庫を確認するのを忘れてしまったのでした。

 いやはや……国語辞書まで出してる会社のシステムが、そんなことでいいのか……。
| 三月 | 言葉 | 00:34 | comments(1) | trackbacks(0) | -
うんうん。気は済んだ?みずきさん。
| 二月 | 2005/07/16 2:07 AM |









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